編んだ! ただひたすら編んだ。
義父の言った「つづら」を使って、ただひたすら編んだ。
すると、次第にその個性が掴めてきた。
当然、利点もあれば欠点もある、まるで自分を見ているようだった。
義父が「まぁー、懐かしいなぁ。つづらじゃぁなぁかな。」
山から持って帰ったツル科の植物を広げていると義父が来て
「まあー、懐かしいなあ。つづらじゃあなあかな!」
ニコニコしながら一本のツルを持ち上げた。
「ちぃさぁやあ、あんたいったいこれほどの物をどうするんかな。」
私が、カゴを編んでみたい胸を伝えたところ、
「そりゃあ、カゴを編むんじゃったらこのつづらじゃいな。これ以外のものじゃあ駄目でな。」
義父の話によると、昔はつづらで、背負いかご、腰かご、台所で使うメゴ、牛が仕事中に草を食べないようにする為に口に当てるものを作ったり、山では紐やロープの代わりとしても使われ、又、胃薬に成るというので煎じて飲んでいた話等をしてくれた。
私は、これだ!! と思った。
私が「つづらかご」を編むようになったのは・・・
1983年、近所の友人から「私の友達に籐かごを編む人がいて、カゴの編み方を教えてくれるんだけど、ちづるさん行ってみない?」と誘って頂きました。丁度同じくらいの子どもがいて、お互い保育園に行かせるようになっていたため、空き時間が出来た処なので丁度いいと思い習いに行くことにした。
一年ばかり通った頃、ふと思った。(山のツル科植物でもカゴは編めるかもしれない。)そこで、山に入り数種類のツル科植物を持って帰った。
人様の前で初めての実演販売
荷車市からスタートした「つづらかご」道をこれからしばらくの間、振り返ってみたいと思います。荷車市での販売を始めて2~3年後、かきのき村の商工会さんから声をかけて頂き、商工会前で実演販売をしました。当時はまだ珍しく、カゴが編みあがるのを待っての購入もあり、楽しいひと時でした。